代表よりご挨拶

当店は「植木温泉和風旅館鷹の家」を経営母体とした、日本料理を個室で気軽に楽しめるお店です。
何だか「日本料理」や「懐石料理」と聞くと敷居が高く感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、決してそのような事はございません。食べたい方が食べたい時に立ち寄って、心のこもったお料理を提供させて頂くというのが我々の使命なのです。

我々の業界は食の機械化によって食事の提供を商売にする「フードビジネス」として捉えると、どうしても立地や家賃や経費や効率化、人件費の削減や、社員数を減らしパートさんやアルバイトスタッフ達が工場で一括生産された物(セントラルキッチン)を決められた工程で作業する。という流れになりがちです。提供スピードも早いし、人材にも悩まなくて良いし、安い値段で提供できますのですごく良い物だと思います。現代だからできる機械化、効率化ですね。現代の日本人は時間が無いので時代のニーズにうまくマッチしていると思います。

ですが、作り手の「心」が無いというのは何だか寂しいですね。

今までの懐石料理屋さんはひっそりと茂みの中に佇んで情緒を演出する事が一般的でした。これは料理以外の付加価値をつける為にきちんとした設備や広い空間が必要でどうしても必要なものでした。「知る人ぞ知る隠れ家」みたいな。私達がこの場所に出店を決意した理由は国道沿いに店を構え、和食をもっと身近に、気軽に、かるーい気持ちで食べて欲しいと思ったからなのです。そこで心のこもったサービスを提供する為にスタッフの人数を増やして、出来合いのものを使わず手作りにこだわってバタバタして、効率化を求め過ぎず、人と人とのふれあいがある店にしたいと思っております。経営者の方達から見れば「ここのオーナーは大丈夫か?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。(実際のところよく言われるんです 笑)

それでも私は、効率化や低価格を求めすぎた「安ければ良し。」という事だけでは無いと思うのです。たかだが五十席程度の小さな飲食店ですが、そこには真剣にお客さまの事を思い、一生懸命になって料理に取り組んでいる若者もいます。私はそんな今後の日本料理を背負っていくようなスタッフ達が社会から認められる事を切に願っており、それと同様に、こだわって食材を提供してくださる生産者の方達にも喜んでもらいたいのです。サービス業では人件費削減を求め過ぎると、代わりに失う物の代償が大きいと考えております。

低価格競争が進んでいる昨今、いつも私が思うのは安い物には安い理由があり、高い物には高い理由があるのです。

もちろん当店でもお客様へどうにかお安く提供する為にスタッフ全員で話し合い、試行錯誤しながら無駄を省き、お客様に関係の無いところでの経費削減や雑作業の効率化を始め、仕入れルートの変更等、様々な方法を手探りで見つけていく企業努力は続けており、「価格以上の満足」を感じて頂けるような接遇を心がけております。大衆居酒屋さんや定食屋さんには無い、一品一品のクオリティの高さや四季の移り変わりを味わいながら大切な方とごゆっくりお楽しみくださいませ。

個室ダイニング かけはし 店主 井村 武広

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